大人になっても
学生時代の部活動の気分で
★入門当初の思い
20代半ばから『江戸文化』にはまっていた私は、
「いつか三味線を弾いてみたい、江戸の香りを感じてみたい」と常々思っていました。
歌舞伎に相撲、落語にと興味が広がっていましたが
転勤先ではお稽古も侭ならなかったのですが 5年ぶりに埼玉に戻ってきたのをきっかけに
何かを習い始めようとカルチャースクールのパンフレットに目を通すと、
新講座の紹介で『粋』『いなせ』『江戸』という言葉が…!
ちなみに『端唄』については、あまり知識もないままでしたが、
お稽古をはじめてみると歌舞伎から題材を取っている曲も多く、
歌詞の意味も良くわかって楽しくお稽古しています。
★あれから14年ほど経って
途中、カルチャースクールが閉鎖するという驚きの事態もありましたが
いまは先生の自宅に通っています。
お稽古場では 他の生徒さんとのお喋りも楽しく
大人になってもこんな学生時代の部活動の気分が味わえるなんて、贅沢かもしれません。
今現在 初めて習った曲『萩桔梗』から数えて
100曲ほど演奏できるようになりました。
平均で考えれば1年で7曲程度ですから、そう多くはありませんが、
覚えるペースは初期の頃より格段に速くなっています。
転機を感じたのは7年前の新年会(お浚い会)の後のこと。
舞台の様子や皆さんの表情など、いろいろ撮影した写真を先生にお送りするついでに、
撥が空振りしたり失敗が多かった反省を綴ったところ、
先生からその写真を材料にとても丁寧な解説が届きました。
三味線の構え方から、撥の持ち方、振り上げ方など、
先生と並んで写った写真を見ると違いが歴然です。
ただ音が出れば「弾けた」と喜んでいた私は浅はかでした。
「音楽」にするにはもっと工夫が必要なんですね。
それからフォーム改造計画が始まりました。
なかなか飲み込めない私に、先生は根気よく付き合ってくださって、
ときには同じ向きで構えて、後ろから覗かせていただいたりと、
あらゆる工夫をして伝えようとして下さいます。
おかげで、安定して撥を振り上げられるようになってきました。
すると、面白いようにスカ撥しなくなり、音の響きも変わってきたのです。
そうなると、弾くのが俄然楽しくなってきました。
この先も、まだまだ『悩みの種は尽きねえ七里ヶ浜…』だとは思いますが、
トコトン教えてくださる先生と、
笑いを分かち合えるお仲間衆がいる限り頑張れそうな気がします。