お稽古をはじめよう!と思ったときに、知っておくと良い『和のお稽古』ならではの基礎知識をまとめました。
※わたし共の「美輝の会」については、 「お稽古案内」や「よくある質問」にまとめています。
また、不明な点がありましたらメールを頂ければ 詳しく説明させて頂きます。
★良い師匠に出会うには
当たり前の事かもしれませんが、お稽古場探しで最も大切な事は、 良い師匠を見つける事です。
1・お師匠さんの唄・演奏を聞く
初めて唄を聴いたり 三味線の音色を聞いたりしても そのお師匠さんの実力(確かな芸をお持ちかどうか)がわかりにくいのではないでしょうか。 そういう場合は それぞれの流派の会だけでなく 個人的なライブや演奏会、入場料の必要な演奏会などに 出演しているかどうか・・・なども、お師匠さん探しの 1 つの基準になります。
(注)一般のお客さまにもご来場戴けるような演奏会が出来るという事は認知されている・・という事 ・・・ではないでしょうか。
2・必ずお稽古を見学しましょう
その場の雰囲気や お師匠さんの人柄などもチェックしてみてください。
また、体験させてもらえる場合は 是非お試ししてください。 その時のお師匠さんの教え方などで 理解しやすいか
・・・ などのチェックも出来ます。
3・知人など端唄を習っている方の参考意見も聞いてみましょう
4・インターネットでも検索してみましょう
端唄のお師匠さん達は 比較的、高齢の方が多いので、サイトをお持ちでないことも多いかもしれません。
その場合は お稽古案内などのページから探すのも良いと思います。
メールアドレスまたは 電話で問い合わせが出来るようになっています。
★問い合わせをしてみましょう
1・お稽古所の場所(自分の家から通える範囲かどうか?)
2・グループレッスンか 個人レッスンか?
一般には カルチャースクールやサークルを除いて、 ほとんどのお稽古が、個人レッスンです。
3・お月謝や諸費用について、大まかに聞いてみましょう
以上の事を聞いて、許容範囲であれば 見学の予約を取りましょう。
★見学しましょう
きちんと聞いておいた方が良い事がいくつかありますので 質問事項を あらかじめ用意し、直接お聞きすることが大事です。 チェックの細かい内容については後述します。
□チェック1 入会金・お月謝・その他について
□チェック2 レッスン日・レッスン回数/月・レッスン時間
□チェック3 発表会やお浚い会の頻度・詳細について。
またそれにかかる費用など
□チェック4 流派や会の規約について
□チェック5 お稽古を始めるにあたり、用意するもの
□チェック6 その他 上記以外でも、質問があれば聞いてみましょう。
2~3ヶ所を見学すると、大体の雰囲気が掴めるでしょう。 お師匠さんのお人柄や お稽古の仕方もわかると思います。
基本的には 技術だけではなく お師匠さんとの相性もありますので「この方だ!!」というインスピレーションがあると長続きすると思います。
★入会金・お月謝 その他
1~6 までのチェック事項について 詳しく説明していきます。
美輝の会での詳細については「よくある質問」にまとめています。
ここでは、一般的な事例を紹介します。
入会金・お月謝 その他についての詳細
★入会金
一般に お月謝1か月分です。
お稽古所によっても違いますので お聞きしてみましょう。
★お月謝
お稽古所によって かなりの幅があります。
端唄に関しては 一般に
10,000円~20,000円位かと思います。
また 三味線と唄をお稽古する場合(2科)と
どちらかをお稽古(1科)する場合で違う、ということもあるかもしれません。
また回数も 4回/月または3回/月 が一般的ですが
お月謝制ではない所もありますので
1回のお稽古の目安は 4,000円~6,000円が多いと思います。
また 先生の都合や 生徒さんの都合で
完全予約制で 1回毎に納める場合もあります。
★お中元・お歳暮
一般に お月謝1か月分です。
これも お稽古所によっても違いますので お聞きしてみましょう。
★月会費または年会費
これについても、会によって違いますので お聞きしてみましょう。
例えば
①施設費・冷暖房費 または お稽古所として スペースを
借りている場合の使用料。
②会で使用する備品購入の為。
③生徒さん同士の慶弔費。
④会運営で発生する他流派との お付き合いに必要な費用の為。
⑤楽器の使用料・メンテナンス等
⑥その他
上記の場合に 必要になります。
★お休みする場合の注意
入会金以外の費用は お休みする場合でも必要です。
(退会するまで)長期間お休みする場合は お師匠さんに相談してみましょう。
月謝の半額を納入する場合や 免除して下さる場合もあると思います。
但し 前もってお知らせしてある場合に限られますので急なお休みの場合は普通にお月謝などは納めます。
では なぜお休みの間も必要なのでしょうか。
お休みしていて・・勝手をさせて戴いています・・・
の意味を込めて納めるもの、と 先輩からお聞きしました。
また 芸の世界は1日でも先に 入門した方が先輩ですので籍を置いておく・・・という意味合いもあるようです。
また、サークルレッスンのような場合は スペース使用料が必要になるから、ということもお聞きした事があります。
どちらにしても 「払う」ではなく「お納めする」という「心」が大事だと思います。
レッスン日・レッスン回数・レッスン時間の詳細
★レッスン日
一般には 毎週○曜日と 最初に決める事になります。
振り替えが出来るか出来ないかも あらかじめ確認しておくと良いでしょう。
(注)振り替えが出来る場合でも 必ず先生に予約をしてからにします。
他の生徒さんに迷惑をかけないためのマナーです。
★レッスン回数/月
お月謝の項で 説明しましたが、ここでは予約制について触れてみます。
遠方からお稽古に来る場合は 泊りがけで来る事も多く2日間続けてお稽古、ということも少なくありません。
また お師匠さんの都合(演奏会などの出演)で 毎週○曜日、というスケジュールが取れないこともあります。
この場合は 完全予約制になります。
★レッスン時間
一般には 20分~30分、または 生徒さんの希望で
40分コース、60分コースなど、選択できる場合もあります。
初心者の場合は 集中力が続くのは20分と言われていますので
20分~30分が目安かと思います。
中~上級者になると60分コースで 月に1回という場合もあります。
昔は、お稽古所に着いた順番で お稽古してもらうのが一般的でした。
最近では、皆さんがそれぞれにお忙しいので、待ち時間を少なくするために
時間を決めておくようになってきました。
発表会などの頻度・費用
発表会やお浚い会の頻度・詳細、またそれにかかる費用などです。
★発表会やお浚い会の頻度・詳細
色々な 習い事のほとんどにあるように、
日頃の稽古の成果の集大成として発表会などがあります。
一般に
①1月または2月・・・お弾き初め・唄い初め(新年会)
②7月または8月・・・浴衣会・暑気払い
③それ以外の月・・・発表会・お浚い会・記念会
(毎年・または2年に1度・または)
(5年に1度など・・です)
④この他に お師匠さんが 色々な団体に所属している場合は 団体毎の会がありますので 多いところでは2ヶ月に1度、ということもあります。
★では 費用について
①お弾き初め・唄い初めに関しては
15000円~25000円
皆さんで お弾き初め・唄い初めの後に
懇親会をしますのでお食事代を入れると上記のようになります。
②浴衣会・暑気払い
③発表会・お浚い会・記念会
※②と③に関しては 費用がケースバイケースで 変わってきます。
会場費、会を進めるために必要なスタッフ(裏方さん)の日当や お弁当代、
プログラム作成費用、補導のお師匠さん(家元)などへの お車代やお礼、下浚い
(リハーサル)の会場費、人件費・・など細かな出費があります。
上記の費用は 出演者の会費から 賄われますので
会の規模や出演者の人数でかかる費用が変わってきます。
例えば 公共の施設(○○ホール)と 国立劇場で演奏するのでは
スタッフの数も違ってきますので 一口に相場はこのくらい・・・と言えないのです。
④主催する会の運営者から 会費を知らせてきますので それを支払います。
(注)会に出演する場合・・・会費の他に ご祝儀・お礼を
お師匠さんに差し上げます。
会によっては 会費の中に含んであるところもありますので
お聞きしてみると 良いでしょう。
★何故そのような費用が必要なのか?
お月謝は 毎回のお稽古の為にお納めするものですよね。
お稽古とは別に 会の時に お師匠さんに 弾いて戴く
訳ですし また その会に向けて お師匠さんが 準備
その他をして下さった のですから その事に対する
気持ちを・・という事です。
お礼の気持ち・・・と考えたら良いと思います。
④の場合に限り 車代を差し上げるケースもあります。
お師匠さん自身が主催の会は 必要ありませんが
それ以外の時は 自分の出演の為に お師匠さんが
同行・演奏して下さるという意味で車代をお出しする事もあります。
いずれにしても ここに書き記したものは 一般的な考え方ですので、会によっても 違ってくると思います。ですから お師匠さんまたは先輩の方にお聞きしてみましょう。
流派や会の規約は?
前項で説明した事と重なりますが それぞれの会によって規則が違うので 直接お聞きするのが良いでしょう。
規約がある会なら それを確認しながら・・・で良いと思います。
基本的には、会の運営に協力する形で 向き合えば良いと思います。
お稽古の必需品
お稽古に必要な物・・・ これも会によって違いますので
お聞きしてみましょう。
ちなみに 美輝の会での必需品下記の通りです。
① 教本
② 録音機器
③ 筆記用具
録音機器については、録音不可というお稽古所も
ありますので 聞いてみましょう。
(注)録音は 有料のところもあります。
(注)三味線を習われる方は お稽古場では 三味線を
貸して下さるのが一般的です。(美輝の会ではお貸しします)
質問があれば聞いてみましょう
この項目では 少し唄も唄えるようになり三味線も弾けるようになった節目として『名取』 『師範』の資格について説明します。
★『名取』 の資格について
入門○年以上とかの制約があるお稽古所もありますが、一般的に『名取』は 比較的 取得しやすいようです。
何故なら、お師匠さんが所属している色々な団体主催の端唄会に出演するのは『雅号』が必要になるからです。本名では 出演できません。
上手だから出演できる、というわけではなく上手になるために そういう場で唄う、演奏するのです。
ですから、ある程度の力があればお師匠さんにその旨をお話してみてください。
名取料は 相場というものはありません。
およそ 30万円~100万円位と 会により幅があるようです。
師範の費用と合わせて・・・ということもありますので
その辺は よくお聞きしてみましょう。
★『師範』の資格について
「師範」に関しては 各会派でさまざまな決め事があります。
流派の歌唱・演奏を修得した・・・という事が一つの指針になりますので、
課題曲を弾き唄い出来る事が重要になるのだと思います。
『師範』は 生徒さんを募集する事ができ、自分の会を開く事が出来ます。
ですから 責任を持って教授できる能力を有した人に、という事になるでしょう。
名取料と同じく相場は?と言われると、難しいのですが
名取・師範合わせて50万円~100万円が一般的と思われます。
およそ 30万円~100万円位と 会により幅があるようです。
師範の費用と合わせて・・・ということもありますので
その辺は よくお聞きしてみましょう。
★『名取』『師範』を取得する際の流れ
①お師匠さんの名前の1文字をいただいて命名します。
ここのときから「弟子」になります。
②一般的には、お月謝が少しアップします。
発表会や色々な会に出演させてもらえるようになりますので、当然のことながら、お稽古の時間も多くなります。
むずびに・・・最後までお読みいただきありがとうございます。
これは 私自身が見聞きしたり、
体験した『和のお稽古』のいろはを 書き記したものです。
入門したものの 何か違うな~?という事がないように参考にしてくださいね。